身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~

 結婚前だ。こっちに住み始めてから一度も来てない。

 ――もしかしたら。

 そう思うと、もうそれしか考えられなくなった。他に思い当たることが何もない。確かに、過労の時もあったし夏バテする時もあったが、今の状態はそのどれとも違うと勘が働く。

 ――妊娠かもしれない時って、まず、どうすればいいの?

 嬉しいとか怖いとか、そんなことは何もわからなかった。ただただ、今、自分の中に新しい命があるのかどうかそれをはっきりさせることしか、考えられない。

 だって、まさか、こんなにあっさり?
 もちろん、そういうことをしているのだから、いずれはそうなるだろうとは思っていた。だがそれにしたって、早すぎる。

 スマートフォンでネット検索して、琴音は迷わず産婦人科に絞って探した。比較的近いところに、評判の良さそうな産婦人科医院を見つけてタクシーを呼ぶ。
 自分が今冷静でないことも、体調に不安があることもわかっていたから、歩くことは考えなかった。
 緊張しているのか高揚しているのか、自分でもよくわからない落ち着かない気持ちで診察を受ける。
 答えはあっさりと、女性の医師の声で聞けた。
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