身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~

 自分自身に問いかけて、嬉しいのと怖いのと半分半分であることに気が付いた。ここに来るまで、実感も何もなかったのに、今はすごく嬉しい。大事にしなければいけないと、強く思うこれは本能なのだろうか。だけどそれだけじゃない、複雑な感情も心の中に同居している。

「……だめなお母さんね。まだ生まれてもいないあなたに、嫉妬してしまっているみたい」

 お腹を撫でて、苦笑いをした。自分よりも望まれているのだろう小さなわが子に、嫉妬するなんて。
 今、自分が一身に受けている閑の関心が、全てこの子に向けられるのかもしれないと思ったら急激に怖くなった。


 ――母親失格だ。赤ちゃんに、閑さんを取られちゃうかもなんて考えるなんて。

 なんでそんなことを思うのか。
 夫婦なら、子供が出来たら嬉しいはずなのに。

 答えは簡単だった。
 自分が望まれてるのじゃなくて、子供が望まれているんだと改めて自覚してしまったからだ。結婚してからいきなり豹変したように、琴音を甘やかしてくれるのも、何度も何度も求めてくれるのもそれがあるから。

 どうして今更、そんなことで傷つくの。最初から、二宮のお義母さんはそんな様子だったし、私だってわかってて結婚したんだから。

「二宮さん?」

 ぽん、と肩を叩かれて、物思いから現実に引き戻される。顔を上げれば、診察室にいた看護師の女性がすぐそばに立っていた。
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