身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
もうすぐ、閑が帰ってくる。診察に行ったことと、その結果は帰って来たら話すからと昼間にメッセージで伝えておいた。
心配しているかもしれない。本当なら電話で伝えておいた方が、閑も安心したのかもしれないが、どうしても顔を見て伝えたいと思った。
「大丈夫。生まれるまでに、ちゃんとパパとママになるよ」
ものは考えようだ。子供が出来て嫌がられるよりずっといいし、できなくて悩む夫婦もいる。夫婦としての絆は元からゆっくり深めていこうとしていたのだから、そこに子供が加わるだけだ。寧ろ夫婦で取り組む出来事が増えるのだから、よかったのかもしれない。
明るい気持ちでエコー写真を眺めていると、玄関で音がした。閑が帰ってきたのだ。立ち上がって出迎えようと思ったが、それよりも早く近づいてくる足音がする。
中扉を開いて姿を見せた閑は、真剣な表情で琴音の傍までまっすぐ歩いてきた。
「おかえりなさい」
「ただいま。どうだったんだ? 通院するんだろう?」
「うん、あのね」
閑がビジネスバッグをソファのひじ掛けの下に立てかけるようにして置き、隣に座るのを待つ。
彼の表情があまりに深刻なので、やはり電話で先に伝えておくべきだったかと申し訳なく思った。