身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
そのまましばらく、優子の話に付き合っている琴音を閑は窺っていたが、不意に彼も自分のスマートフォンを手に取った。
誰かからの着信のようで、琴音の方は大丈夫だと安心したのだろう。そのままリビングを出て寝室の方へ向かっていく。
話声が重なると、話しづらいからだろうか。
『……それでね。琴音ちゃん? 聞いてる?』
「あ、はい! 聞いてますもう一度」
『聞いてないんじゃないの』
「あはは、すみません」
優子の話は、お腹が大きくなって動きにくくなる前に、ベビーカーやチャイルドシートを一緒に見に行こうということだった。どうやら、優子が信頼しているメーカーがあるらしい。
『それと、本当に性別は生まれるまで聞かないつもりなのかしら……と思って』
おそらくこちらが本当に聞きたかったことじゃないだろうか。恐る恐る、琴音の様子を伺いながらなのは、実は最近閑に怒られているからだ。
安定期に入ってからしょっちゅう性別のことで電話をかけてきていた。その時も、平日夜でまだ早い時間だったから、閑はまだ帰ってないと思ったのかもしれない。