身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
今日も定時を余裕で過ぎて、ぐったりしながら駅から自宅のマンションまでの道のりを歩く。五分ほどなのだが、疲れているとこの五分がとてつもなく長い。
今日は金曜だが、明日も問答無用で出勤だ。日曜はなんとか休めるだろうか……しかし、今いつもより無理をしているのは、少しでも早く仕事を納めてしまいたいからだ。そうしたら次のプロジェクトには琴音は参加せず、退職の目途が立てられる。
焦ってお粗末なものを作るわけにはいかない。けれど、結婚のことも考えなければいけない。
結婚まであと六か月、閑とは連絡は取り合っているが事情は話してあった。元々、二宮家の慣習もあり式に関することだとかは、琴音が介入することは少なそうだった。
閑とふたりで決められるのは、新居のことだったが。二宮の本宅ではなく閑が借りているマンションがあり、そこでいいかと閑から連絡が来ていた。出勤するのに都合が良い場所らしいし、琴音に勿論、否やはない。そうなると、家具もあるものでどうにかなりそうだし、それほど打ち合わせることはない気がする。
……そういえば、式は神前になるけどその後の披露宴パーティで着るドレスのことで、って連絡があった。
……あれ? 私、それになんて返信したっけ?
記憶が思い出せなくて、歩きながら冷や汗が出てきた。