身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
「それは全然! いいの、寧ろ、自分が結婚する日が来るとは思ってなかったし、着物も好き」
「そうか?」
「白無垢、素敵よね。あ、白無垢の衣装も少しは選べたりするのかな?」
「もちろん」
嬉しい、と自然と頬が綻ぶ。そうすると閑もまた少し笑った。彼は相変わらず頬杖をついたまま、会話の合間に箸を進める琴音を飽きもせずに眺めている。その視線に、いちいちどきどきしてしまい、琴音は目を逸らして箸を速めた。
「でも、式とか緊張する。失敗したらどうしよう。会社の関係の人とかもいるのよね?」
気恥ずかしさを誤魔化しながらそう言うと。
「会社関係は披露宴からで、式は親戚だけだ。そうだ、ずっと海外と日本を行ったり来たりしてると聞いたけど、可乃子は? 妹の式くらいはさすがに帰ってくるよな?」
――可乃子。
その名前に息が止まりそうになった。