身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
「た、多分! お母さんが連絡してる。私からは出来てなくて」
上擦った声は、笑ったことで誤魔化した。
「あんまり連絡取らないのか?」
「うん、私が忙しいだけじゃないからね! お姉ちゃんもあんまり日本にいないんだもん」
ふうん、と閑は少し寂しそうな顔をする。
「あんなにべったりだったのに」
「もう子供じゃないですからー。あのね、それより」
どうしても話題を反らしたくて仕方なかった。閑と姉の話をするのを、咄嗟に避けてしまったのだ。
「ドレスの試着のこと、いつにするか連絡くれてたのに、ごめんなさい」
――結婚することは決まってるんだし。気になるならさりげなく、聞けばいいのに。
知ることが怖いのか、知ったことで気まずくなるのが怖いのか、とにかく何かが怖かった。
「ああ、そうだな」
すんなりと話題は姉のことから離れてくれて、ほっとする。閑はふっと視線を天井に向け、何か思案しているようだった。