身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
あの夜、雑炊を食べ終わった後。しばらくふたりで他愛のない話はしていたが、何事もなく彼はあっさりと帰って行った。
恋愛関係にあるわけではないし、閑はいきなりがつっとくるようなタイプでもなさそうだ。早々、こちらが対処しかねるくらいに進展しても困るのだけれど。
レストランで会った時のように手を握られることもなかった。
――まあ、そんなものよね。まだ二回目だし。
ランプの点滅が止まり、取り出し口の蓋をあける。ミルクティのカップを手に取って、三輪が座っている簡易ベンチに並んで座ると。
「でもキスくらいあっても良かったのになあ……って顔してますよ、染谷さん」
にんまりと笑う三輪に、楽しそうにそう言われた。
「別にそんな顔してない」
「えーっ! 本当に? 私なら、こう、ぐいぐいっと来て欲しいけどなあ」
ぐいぐいっと来る、閑ちゃん……。
三輪に言われて想像してみたものの、あまりピンと来なかった。