身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
ぽかんとしていれば、福住もしきりに首をひねっていた。
「俺もさっき急に呼び出されてな。しかも外部から社労士を雇って雇用形態の見直しも入るらしくて」
「……働き方改革ってことですか」
「そうそう。なんかテコ入れでもあったんかね?」
なんで急に……?
疑問だらけではあるが、無事に退職日が決まり、ほっとした。何よりこれまでずっと一緒に働いてきた仲間が、自分が辞めることでさらに過酷な状態で働くことになるのではという、一番心にひっかかっていたことが解消できたのだ。
「そういうことだから。後少し、よろしくな」
ぽん、と背中を叩かれて初めて、退職する寂しさを感じた。本当に酷い職場だったが仕事仲間との関係は、悪くなかった。
その日の仕事が終わり、帰宅したのが夜の九時。琴音は簡単に食事を済ませてから、閑にメッセージを入れた。先週に約束したとおり、仕事が落ち着きそうだという報告をするためだ。