身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~

「素敵な新郎様ですね」

 含み笑いをする店長に、肩を落としながらも頷く。

「素敵すぎて、隣に並ぶのが不安です」
「そんなことありません、お似合いですよ」

 乾いた笑顔を浮かべながら、たくさんのドレスに目を向ける。不思議なもので、自分に自信はないけれど、これだけ綺麗なドレスであれば、少しは自分のことも綺麗に見せてくれるかもしれないと思えてくる。

「ちょっとでも、綺麗に見られたいので……ご助力をお願いします」

 恥ずかしくなり、俯きながら琴音は言った。すると、数秒沈黙があったあと。

「お任せください。必ず素敵な装いにしてみせますからね……!」
「は、はい」

 ぎゅっと手を握られ、店長の頬はぽっと赤く染まっている。なぜ?と首を傾げながらも、こくこくと頷いた。

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