身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~


 閑が選んだものと、自分で選んだ白いドレスを試着スペースに持ち込み、カーテンが引かれる。三方の壁が全面鏡になっていた。選んだドレスをかけるハンガーラックがあり、そこからひとつ、まずは閑が選んだアイボリーホワイトのドレスを試着する。

「素敵ですね……さすが新郎様、新婦様に似合うものをよくご存じですね」
「そ、そうでしょうか……」

 いや、実は大人になってから会うのは三回目で、実質今日が初デートですとは言いづらい。
 だが、店長の言葉どおり、よく似合っている……ような気がした。

 鏡に映る自分を見ながら、少し角度を変えて振り向いて背中を映してみたり、出来る限りの角度で確認する。
 胸から襟は細やかな刺繍の入ったレースのハイネックで、胸から下はレースと絹が重ねられ透けないようになっている。ウェストできゅっと締まり、そこから緩やかに生地が流れほっそりとしたシルエットだ。

「いかがですか? 裾やバックにレースを足せば、もっと華やかさが増すと思います」
「派手になりませんか?」
「全然です! 上品なデザインですし、もう少し装飾を足してちょうどいいくらいだと思います。そうですね、髪はアップにまとめて、花やパールを編み込めば可愛らしくもなりますよ」

 次々と提案してくれる店長に、そわそわと期待は大きくなる。

「靴は、どうぞこちらを」

 足元に差し出されたヒールの高い靴を見て、躊躇った。

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