身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~


 ふたりが店を出たのは、もう夕方近い時刻だった。車に乗り、閑が予約してあるというレストランまで移動する。

「今日中に決めなくても良かったのに」
「いいの、あの後何着試しても、やっぱりあれが一番だなって思ったから」

 あの後、候補に挙がっていたドレスはすべて試着した。その度、ドレスに合わせて髪も弄ってみたり、たっぷりと時間をかけてくれたのだが。

 その途中で、琴音の腹が盛大に鳴いた。ココアのみの昼食にしたことも盛大に後悔した。

「まあ、腹も減ったことだしな」
「言わないでってば」

 運転席でくすくすと笑う閑を、恨みがましく睨む。琴音の視線に気が付き、彼は一瞬だけ目を向けると微笑んで片手で琴音の頭を撫でた。
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