身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
 綺麗な夜景と、色鮮やかで極上の料理。どこかふわふわとした、現実味のない空間で食事を楽しんで、最後のデザートが運ばれてきた時だった。

「わ、綺麗……食べるのもったいないね」

 三色のカラフルなソースで、中央に置かれたベリータルトや皿の上に蔦と花が描かれている。フォークを手に取る前に、「琴音」と呼ばれて顔を上げた。

「これ、遅くなった」

四角い、濃赤色の手のひらサイズの箱が閑から差し出される。

「え……」
「琴音の好みに合うかな」

大きく胸が高鳴って、受け取る自分の手が微かに震えていた。

箱を開けると、透明な綺麗な石がキラキラと光を反射する。白銀の環に、大きな石とその左右に小さな石が付いていた。

「琴音には急なことで、戸惑いだらけだとわかってる」

石を見つめながら、閑の言葉を聞く。なぜだろうか、目頭が酷く、熱くなった。

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