身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~

 結婚までの僅かな間だ。結婚指輪は必要だけど、婚約指輪は無いものだとばかり思っていた。

「不安なことは、何でも俺に言って欲しい。すぐに解決できることばかりではないかもしれないが、琴音には出来るだけ憂いなく嫁いできて欲しい」

 優しい言葉に目が潤んで、きゅっと目頭に力を入れる。手の中の指輪の箱を、強く握りしめた。
 もしかしたら、琴音がこれまで仕事ばかりだったため、結婚に二の足を踏んでいるように閑には見えたのか。
 顔を上げると彼は、真剣な表情で唇を引き結び、琴音を見つめていた。

「閑さん……」

 真剣に言葉を尽くしてくれている。そう思うと、心は温まる。こんな風に言葉をかけてくれる人となら、きっと気持ちも育める。だからその分、琴音も言葉を尽くしたい。

「大丈夫です。私、ちゃんと楽しみにしてます」

 琴音がそう言うと、閑は少しだけ微笑む。だが、信じて安心してくれたわけではなさそうで、なんと言えば伝わるのか琴音は言葉をかき集める。

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