身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
「普通、母親はついて来ない」
「そんなことないわよ、私の時はお義母さまが決めたもの」
「時代が違う。琴音、話半分以下で聞いてていいから」
閑はそう言うが、頷くわけにもいかない。笑って誤魔化し、義父の方を見れば苦笑いをして肩を竦めている。
……本当に、心配することはなかったのかもしれない。
かといって、そう簡単に気が抜けるわけでもないけれど、少し、いやかなり、二宮に嫁ぐ緊張感は解れてくれた。
その後、義父と閑が仕事の話をし始めた頃、ちょんちょんと優子に肩を叩かれる。
「ちょっと、見せたいものがあるの」
言われてつい閑を見れば、彼もちらりと心配そうな目を琴音に向けた。しかし、仕事の話は続いているようで、邪魔するわけにもいかない。
優子に向き直り、手招きされるままに腰を上げる。
「見せたいものですか? なんでしょう」
「こっちよ」
連れて行かれたのは、どうやら優子の私室のようだった。