身ごもり秘夜~俺様御曹司と極甘な政略結婚はじめます~
「お母さん! 閑さんが今から来るって! おかず、多めに作ってあるから足りるよね?」
キッチンに戻りながら母に告げる琴音の声は、無意識に弾む。
閑は、自分の車に乗り換えてからこちらに向かうという。車では一時間と少しくらいだ。いつもの夕食の時間に、少し遅れるくらいに到着するだろうか。
父親が直に帰宅し、閑が来ることを告げると時間を合わせて食事にすることになった。
染谷の家は、一戸建てだが二宮の家ほど大きな敷地があるわけではなく、駐車スペースは一台分くらいしかない。そのことを知っている閑は、琴音が説明する前からコインパーキングを探すと言ってくれた。
そわそわと待つ時間が過ぎて、駐車場が見つかったと連絡が来た。うちから五分ほどの場所で停められたとメッセージが入って、琴音は出迎えようと外に出る。
夜道を照らす外灯と家々の灯りの中を、歩いてきた閑はひとりじゃなかった。