私の学校の生徒会、実は魔術師の集まりだったそうです
「えっと・・・・・・芽衣ちゃん、この手の魔術、知ってたの?」

大河先輩の問いかけに、私は迷うことなく首を横に振る

「いえ。私はただの一般人です。ただ、物理的に効かないのであれば、また他に対抗する手立てはあるはずですから」

「ふーん・・・・・・そっかぁ。確かにそうだね」

「はい。火力で押し切るなり、属性を変えるなりすればいいことですから」

「一理あるね。やっぱり魔術に関しては天才の素質があるのかな」

「まあ芽衣ちゃんだもんね!」

乃亜先輩はよく分からない理論を展開しているが、まあスルーしておこう

とりあえず乗り切った。私がメイリンだとバレれば、父に情報が伝わり、面倒なことになる

それだけは絶対に避けたい。何がなんでも

「芽衣ちゃん、疲れたでしょ。もう今日は帰っていいよ」

「え・・・・・・?いや、でもまだ皆さん、仕事があるんですよね?」

大河先輩から許可が降りるが、私は首を傾げる

まだ片付けの段階ではないし、どう見てもまだ仕事をやる、といった状態だ

私がいてもあまり役に立たないのはわかるが、それにしても先に帰るのは気が引ける

先輩がいるなら尚更

「いや、もう帰っていいわよ。化物と相対したのだし・・・・・・毎年、生徒会に入りたての子は、こうやってすぐ帰すの。だからもう帰りなさい」

やんわりと琴葉先輩から説明される

二人の先輩から言われ、加えて説明されてしまっては、帰る他ない

それに・・・・・・帰らなければ逆に迷惑だろう

「わかりました。では、失礼します」

ぺこりと軽く会釈をし、作業をしていた椅子近くに置いてあったリュックサックを取って部屋を後にした

廊下を歩きながら、少しやりすぎたかな、と反省する

・・・・・・でも、あそこで精神核への攻撃をしなければ、今頃校舎は最低でもは半壊していた

あれはあれでよかったのだと、もう割り切ることにした

にしても・・・・・・

「ここの魔術師たちはきっと、有能」

皆、魔力の昂り方や波長が滑らかで、そして包み込むような優しいものを持っている

そういう人に限って、魔術や魔導の爆発的な成長がある

今、あれだけの魔術を使える花音さんはきっと・・・・・・育て方によっては、将来世界に名を馳せる魔導師になる

・・・・・・必ず、化物から人々を救ってくれる

私が手出しするよりも前に

だから

「私はもう、何もしなくても・・・・・・もう、魔術師として要らないのかもしれない────」
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