お願いだから、俺だけのものになって
次の日の朝



「美紅!
 火のもとちゃんと確認するのよ

 出かけるときと夜は
 戸締りしっかりしてね」



「お母さん、もうわかったから」



お父さんとお母さんは
1泊2日のクリスマス旅行に出かける



たまに派手な喧嘩もするが
24時間一緒にいるわりに
うちの両親は今でもラブラブなのだ



「そうそう!
 美紅にクリスマスプレゼント!
 お父さんが選んだのよ」



女子高生へのプレゼントを
お父さんがまともに選べるだろうかと
心配しながら開けてみると



「か、かわいい!!」



真っ赤な大人カワイイ
ワンピースだった



「美紅が一番かわいく見える
 ワンピースを選んだぞ!!」



「美紅の所に男の子が来たでしょ!
 奏多君だっけ

 そのこと伝えたら
 急いでデパート走って
 美紅の洋服を買いに行ったのよ

 美紅を世界一可愛くしてやるって言って」



「だって美穂ちゃんが
 美紅がイケメン君と
 デートするって言うから」



「な、なんで??

 私が奏多君と明日会うこと知ってるの?」



「だって彼帰るときに

 『クリスマスの日に
  美紅さんとデートさせてください』

って、私に頭下げたのよ

礼儀正しくって
私気に入っちゃったわ



それを
買い出しに行ってた裕也さんに
電話で伝えたってわけ」



奏多君を玄関まで送ったが
そのあとお店にいるお母さんに
挨拶してたのね



知らなかった・・・



「お父さん、お母さん
 カワイイワンピースありがとう」



「じゃあ、お母さん達行ってくるからね」



そう言って二人は
手をつないで駅に向かった



私も
何年、何十年たっても
手をつないでいられるような
お母さんたちみたいな夫婦に
なりたいな
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