お願いだから、俺だけのものになって
放課後
急いで教室を出ると

私は走って
奏多君の高校の近くに向かった



ゆるカフェ前で待っていると

桜木高校の子たちが
ジロジロ私を見ながら
通り過ぎる



そうだよね・・・


私の高校は反対方向で
こんなところに立ってるなんて
おかしいよね・・・



早く奏多君来て!
と願っていると



「ねえ、かー君
 これからどこか行こうよ」



「私
 ゲーセンでプリクラ撮りたい」



「俺はパス!
 今日は予定あるから」



「え~~」



遠くから女子たちと話す
奏多君が歩いてきた



緊張してきた・・・



どうしよう・・・



声かけなきゃ・・・



奏多君は近づいてくる



奏多君の両側には女の子がいて
奏多君と腕を組んでいた



その時
奏多君は私に気づき

驚いた表情で
3秒くらい目が合った



声を掛けなきゃ!


マフラー返さなきゃ!



そう思うのに
固まって声が出ない・・・・




「常盤女子の制服じゃん

 かー君の知り合い?」



腕組してる女の子が
奏多君に聞いた



「え?知らない・・・」



とそっけなく奏多君は答えて
私の横を通り過ぎていった




無視・・・
された・・・・



そうだった・・・



私と奏多君とじゃ
釣り合うわけない・・・



サンタさんが
みじめな私に
夢を見させてくれただけ・・・



そんなこと
わかっていた
はずだったのに・・・



もしかしたらこんな私でも
好きになってくれる人がいるかもって
期待をしてしまったんだ・・・



昨日
奏多君が誘ってくれたのは
女の子ならだれでも
良かったんだね




私がうつむきながら
帰ろうとした時



「お弁当屋の美紅ちゃんじゃん」



毎朝お弁当を買いに来てくれる
桜木高校の
剣道部の男子に囲まれた



「あ、こんにちは」



「どうしたのこんなところで?」



「なんでもないです

 今から帰るところなので」



私は接客スマイルをし
帰ろうとした時



「俺たち今日
 部活休みなんだよね

 これから一緒に
 カラオケでも行かない?」



行きたくない!
行きたくないです!!


でも
そんなことは言えない・・・



どう答えていいかわからず
困っていると・・・



「美紅ちゃんは
 俺と先約あるから」



と、急にその男の子に
手を引っ張られた



助けてくれたのは・・・


だれ???



顔を上げると

毎朝お店に来てくれる
サッカー部の夏樹さんだった
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