【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
ここまで逃れ切ったのに。


男子部屋の前、女子部屋の前にそれぞれ先生が椅子に座って本を読みながら待機しているなんて、思ってもみなかった。


怖くない方の先生に見つかることにして、堂々と先生の前を歩く。


「藍田さんと灰野くん?点呼したでしょ?」


多分彗たちは点呼をうまくごまかしてくれたんだと思う。


「そのあと隙を見て抜け出しました。ごめんなさい……」


「ったく、早く部屋に戻りなさい」


田島先生に怒られるより100分の1くらいで済んだ!


と、喜べたのは一晩だけで、翌日6人まとめて田島先生の説教から朝が始まるなんて。




はい、ごめんなさい。すみませんでした。


初めて受ける本気の説教に結構堪えている。


あたし、人生で一番悪いことした気がする……。


だけど何度も思い出したくなる思い出が、またひとつ増えんだから、どってことないか。

うう、でも凹む……。

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