【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「藍田さんってさ、あんなんでめちゃくちゃ夢見る少女なんだよ」


「なにそれ?」と山本が首を傾げながら売店のパンを物色する。


「別れた頃かなぁ、ベッタベタな少女漫画のシチュエーションに憧れているって話、聞いちゃって」


こっそりとクラスの子に借りて読んでみたら、


歯の浮くようなセリフを真顔でどころかキメ顔で言いのける男子しか描かれていないそれに、俺は絶望した。



あれの真逆だと思う。俺。



それでさ、ナギは多分ソレやろうと思えばできるんだろうなって思った。


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