【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
放課後のチャイムっていい響きだよね。
あたしはいつものようにのんびりと帰り支度をして。
「じゃあな、胡桃」
「うん、がんばって!」
ナギちゃんはいつものように大急ぎで部活に向かおうとしたとき。
ドアの向こうから田島先生がぬっと顔をだした。
「うわっ、びびったー」
「ちょうどよかった。全員いるな?」
いちにさんしーごーろく、とあたしも数えられて頭にクエスチョンマークが浮かぶ。
「あ!!」とまず叫んだのはナギちゃん。
「思い出したか、藤原。部活頑張ってるのは職員室でもよく聞くけど、残念ながら罰掃除は放課後にやるからなぁー」
罰掃除……?あぁ……もしかして。
「忘れてた!プール掃除!?」
彗が両頬に手をあてて絶望している。
リホちゃんは、はぁとため息をついて、すぐ傍の席の灰野くんが「いつやるんですか?今日?」と聞く。
「明日の放課後。暑いから飲み物と、体操着忘れるなよー」
そう言って教室を出て行った田島先生を見送って、ナギちゃんは「なんで放課後なんだよ」と文句っぽい言葉を残して去って行った。