【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

「山本、絶対サボんなよ」


灰野くんがちらっと山本君を見る。


「サボんねーよ。だってなぁ?藍田さんもいて面白そうだし」


え?あたし?

山本君、なんで?


「山本……っ!!」


灰野くんの怒声に山本君が笑う。


「本当になかよくて羨ましいんだけど……」


と、リホちゃんにこそっと愚痴る。


「誰の話題であの二人が仲良く話してるのか、胡桃ちゃんわかる?」


「おい、リホ!!」


「あははっ」


ていうか、リホちゃんと灰野くんも仲いい……。


そうなんだよね。

灰野くんは、あたし以外の子とは楽しそうなんだよ。


彗のことも、リホちゃんのことも名前で呼ぶくらいに。


あたしなんてさぁ……。ハァ。



< 137 / 400 >

この作品をシェア

pagetop