【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「山本、絶対サボんなよ」
灰野くんがちらっと山本君を見る。
「サボんねーよ。だってなぁ?藍田さんもいて面白そうだし」
え?あたし?
山本君、なんで?
「山本……っ!!」
灰野くんの怒声に山本君が笑う。
「本当になかよくて羨ましいんだけど……」
と、リホちゃんにこそっと愚痴る。
「誰の話題であの二人が仲良く話してるのか、胡桃ちゃんわかる?」
「おい、リホ!!」
「あははっ」
ていうか、リホちゃんと灰野くんも仲いい……。
そうなんだよね。
灰野くんは、あたし以外の子とは楽しそうなんだよ。
彗のことも、リホちゃんのことも名前で呼ぶくらいに。
あたしなんてさぁ……。ハァ。