【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「うん……覚えてる」


中1の一カ月間、この下で毎朝灰野くんを待っていた。


「懐かしいね」

「うん」


ある日突然、灰野くん、来てくれなくなっちゃったけどね。



あのカーブミラーに映るあたしたちは、あの頃より身長差もついているのに、距離も、何も成長してない気がする。



「どうして、あたしと別れたの?」


ずっと聞きたかったことが、ぽろっと口から洩れた。



なんて答えるの。灰野くん。


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