【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「ナギちゃん看護師さんとも打ち解けてるの?」


「いや今日初めて喋ったけど」


「うそでしょ?どんなコミュ力!」


ぷっと吹き出した。


「何帰ろうとしてんの?さっきの会話、冗談に聞こえた?」


「冗談でしょ?」


「ほんき。胡桃がいないと治んない」



眠たそうな目をとろんとさせて、ナギちゃんは目をつむった。



かと思えば、深いため息をついて、目の上に腕を置いてしまった。


え、どうしたの?


「な、泣いてる……?」


さっきの会話が頭を駆け巡る。


”夏の大会のあと、練習頑張ってたのに”


ナギちゃんは、サッカー命なのに。


怪我は……足だ。


はっとして、叫んだ。



「ナギちゃん……っ!!」


飛びつく勢いでベッドに駆け寄る。


「え!?」


ナギちゃんが腕をどけて見せた目はまんまるで。


「あ、あれ?泣いてない?」


「なんで泣くんだよ」


「そっか……」


だけど、ナギちゃんは。
こういう嘘は、つく人だと思う。



「本当は……落ち込んでる?」



「……」


ほらね。

……やっぱり。

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