【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
手の中のスマホが震えて視線を落とすと”藤原凪砂”と表示されていた。



「もしもし?」

『胡桃ぃ?』

「ナギちゃん?スマホ直ったの?」

『新しいの買ってもらって、バックアップできたっぽい』

「よかったねぇ!」


と言いながら、あたしは机の上に置いたビニール袋に目をやる。



今日お見舞いに行こうと思ってプリン買ってきたんだけど……。

さすがに今から家出るんじゃ遅いよなぁ。



本当は今すぐでもナギちゃんに話を聞いてもらいたいのに!


でもこんな大事な話、直接会って語りたい!


興奮しかけた気持ちを落ち着けていると。


< 237 / 400 >

この作品をシェア

pagetop