【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
『今日灰野がお見舞いに来てくれたんだけど。かつてないほど煽っておいたよ』


「煽って……?」


え、もしかして。

ナギちゃんのおかげで!?


「あのね、さっき実は、灰野くんに告白されたの!」


『まじで?はっやー』


電話の向こうでナギちゃんが笑っている。



『おめでと、胡桃』


「ありがとうナギちゃん……ナギちゃんのおかげだったんだね……!」


『胡桃の努力の賜物だろ?』


「そんなわけない。あたしも全力でナギちゃんの恋、応援するから!」


『……』


あれ?無言?


「ナギちゃん?」


『あ、ごめん。今夕飯運ばれてきて』


「そっか、もうご飯なんだね。明日またお見舞いに行ってもいい?激極堂のプリン買ってきたんだ」


ナギちゃんの大好物。行列のできるプリン専門店のもの。


『めっちゃ並ぶやつじゃん』


「めっちゃ並んだ。ラスイチだった!」


『うっそ、そんなん貰っていいの?』


「そりゃナギちゃんのために並んだんだもん」


『えーうれし。ありがと』


「楽しみにしててね!じゃあ、お大事に」


『うん』


電話を切って、ベッドに転がる。


ナギちゃん、どんなふうに灰野くんに言ったんだろう?
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