【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
プシュ―。バスが疲れたーというように停車する。


なんで学校についたんだろう?早いよ……。


バスを降りて数歩、並んで校門をくぐった。


「「……」」



あたしたちの間には会話ひとつ落ちていないけど、心臓はばくばくと未ださっきの名残を忘れず激しく動いている。


あたしは必死に話題を振ろうと考えているんだけど。


「あの……」

「ん?」

「……ううん」

「え?」

「ええっと……」


結局、単語の一つも出ずに、あたしたちは昇降口にたどり着いてしまった。

ちょっとだけ涼しい校舎の中で、靴を履き替えていると。


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