【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「あー胡桃ーっと、伊吹!?」
地元の最寄で大きく手を振るのは、中学の時のクラスメイトのチカだ。
「えっ、二人ってより戻したの!?」
「え、えっと、うん」
藍田さんがはにかんだ。
かわい……。
「よかったねぇー!!伊吹」
え、俺?
「ずっと胡桃のこと好きだったもんねぇ!」
「な、なんで知ってんの」
「だって私伊吹のこと中3のとき好きだったからずっと見てたもん。あ、今は彼氏いるから心配しないでね?胡桃」
「う、うん……」
藍田さんが頷くのを確認して、チカは楽しそうに続けた。
「でね!ふと気づけば伊吹の視線はグラウンドにいる胡桃のこと追いかけててぇ〜」
おいおいおいおい。
「チカ、いますぐ黙ろうか」
「そ、その話聞きたい……!」
「藍田さん……!」
まじでそれ以上は言うなって、そういう視線は、無視か。
「伊吹がどっかじーっとどこか見てるなって思うと視線の先にはしつこいくらい胡桃がいたよ?」
「まじでやめて……」
俺もう消えたい。