【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
制服のままベッドに倒れ込んだ。


ドクンドクンと壊れそうな心臓の音。


あたしの上に覆いかぶさるように向き合う灰野くんの方、全然、見れないよ……っ。


「……藍田さん」


その声にビクッと体が震える。


「耳元で、言わないで……」


「だったらこっち向いてよ」


悪戯っぽく聞こえた声に余計にドキドキする。


おそるおそる上を向いたら、すぐそこで灰野くんはあたしを見ていて……。


その目に吸い込まれそうになる。


心臓……うるさい。

息がうまくできないよ。


「……キスしよ」

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