【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
誘って……あたし、ほんとに誘ってるのかな?
するの?したいの?
あ、わかんない。頭の中ぐちゃぐちゃ。
えっと、ええと……。
「ごめん……そんなわけないよね。俺の勘違い」
はは、と笑いになっていない笑いでごまかそうとする灰野くん。
「……勘違い……じゃない」
「え?」
「ほんとに、その……したい」
「え……と」
わかんない。
でも、もっともっと灰野くんに近づきたい。
うう、顔熱い。
リホちゃんこれであってるのか教えて……。
「あの……何するかわかってんの?」
赤らんだ顔の灰野くんは疑い全開で眉をひそめながら……。
そんなこと、聞く?
「……わかってるよ」
子供じゃないんだから、そのくらいのこと知ってる。多分……。
「……」
なんか言って……。
引かれたの?
断られるのかな……?
どうしよう……
半分泣きながら顔を上げると、灰野くんがこっちに歩み寄ってきていて。
「……本当にわかってんのかなぁ」
って、眉間に皺を寄せて、あたしの目の前でしゃがみ込んだ。
そんな色っぽい顔であたしのこと見ないで……。
「……する?」
こんなに綺麗な顔した人が上目遣いで聞くのは、絶対にだめ……。