【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

念を押す声に、半分くらい迷いながら頷いた。

あ、これって、YESっていったのと同じ……?


そう思った時には、灰野くんにまたキスされていて。


頭がぼーっとわけわかんなくなる中で。


プチンっと紺色のリボンが外された。


制服のリボンって特殊な造りだから、結構外すの難しいのに……。


あ、そっか。灰野くんは藤堂さんのを……。


こんなにドキドキしてるのに、確かに胸の奥がずきんと痛くなった。


灰野くんはやっぱり慣れた手つきで、あたしのボタンに指をかける。

プチっと外れていく。三番目のボタンに差し掛かった時、


恥ずかしくて死んじゃう……。


あたしは灰野くんの手を上からぎゅっとつかんで止めた。


はだけかけたブラウス。


「は……恥ずかしい……」


すぐに両腕で隠した。


「……かわい」


キス……?これ何?

首元にチュッと柔らかい唇が何度も触れて。


「……ん、」


くすぐったくて肩を竦めながら逃げ場を探すあたしを灰野くんは逃がさない。


「……首弱いの?」


甘い声が耳元で優しく聞こえて、ドキドキと心臓が激しさを増していく。


そんな時、灰野くんの手が、つーっとあたしの体をなぞって。


「やぁ……んっ」


やだやだやだ……っ、変な声でちゃった。

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