【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

「……あの、なに?」


怯えたような目をしてるのは、俺が殺気立ってるらしいから?

付き合う前によく見たな、この表情。


「……ちょっと話せる?」


廊下でいいや。そんなに人もいないし。


「あの……昨日電話にでれなくてごめんなさい……」

「スマホ忘れたんでしょ」

「うん……」

そんなこと、どうでもいい。


ええと。とりあえずは謝らないと。


「この前はごめん。まだ早いって思っただけで、他意はないから」


「ううん、あたしも。リホちゃんたちにアドバイス貰って急いじゃって……。でもきっとあたしだって途中で怖くなったと思うから……」


「ごめんね」っと藍田さんは硬く笑う。


「あー、リホたちと。そういうこと……」

変だと思った。


ってことは、リホたちがなんかそそのかしたとして、藍田さんの意志じゃないのか。

いや、いいんだけどね。そのほうが。

うん、いいんだけど……。



へぇ。


なんだ。




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