【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「え……っと」
藍田さんの視線が気まずそうにあちこちに向いていて。
もうこの話はやめようって、そういう空気。
うん、やめよう。
そう思った時。
「胡桃ー、充電器さしとくよー」
教室からナギの声がして
「うんっ!おねがい!」
そう返す声はなんの気遣いもなくていいね。
なんでも話せちゃう仲だもんな。
ずげームカつく。
「……用はそれだけ」
藍田さんから離れて、教室に戻ろうとしたとき。
「なんか怒ってるよね?あたしのせいでしょ……?」
藍田さんの声に、ゆっくりと振り返った。
言ったら泣くだろ。
もう俺そういうの嫌なんだけど。