【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

「……なんもないよ」

「あの……言ってほしい。か、彼女でしょ？一応」


一応って何。


「言いたいこと言ってくれていいから」


今まで何回も言った気がするけどね。

藍田さん、変わんないじゃん。


「言いたいことはあるけど、言ったらわかってくれんの？」


絶対わかんないでしょ。

ナギのこと、すごい好きだもんね、藍田さんは。


ぶっ壊れたナギに『 ” だったら付き合って ”ってもし言われたら 、ちゃんと俺のこと選べんの？ 』


そんな、普通YESしかないことを、藍田さんは答えられなかったじゃん。


「……藍田さん、言ってもわかんないだろ」


話すだけ無駄って思いたくなるんだよ。


「伊吹？」

振り返ると、花がいて。

目をまん丸にして俺を見てる。