【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

ベッドの上にゴロンと横になったのは、灰野くん。


「先生いないから、」


いないから……？


「……となり、寝ないの？」


そんな赤らんだ顔して、誘わないでよ。


「う・うん」


どどどど、どういうこと？
もしかして、その……。


「あの、でもあたし、やっぱり怖いからまだ……」


「しねーよ。こんなとこでするわけない」


灰野くん、笑ってる。
くつくつと、控えめながら、でも笑ってる。

……赤くほてった顔で。


「添い寝からね。俺たちは俺たちのペースでいいじゃん」


灰野くんはぐいっとあたしの腕を引っ張った。


そして、すぐ隣に寝転んだあたしにほんの少し目を向けて、そらすと。


「……もう俺これだけで心臓飛び出しそうだから」


「うん……」


そんなの、あたしだって。