【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。
「……藍田さんは俺との心の距離が近づきたかったんだって、リホからこっそり聞いた」
「うん」
「それで、誘ったんだって?もう……藍田さん面白すぎだろ」
「だ、だって……」
「俺は……藍田さんとしたいけど。それより大事にしたい方が勝ってるっていうか」
言葉が止まって、しぃんっとした。
「あと、かっこつけないで言うと、藍田さんにいいとこしか見せたくない自分がいんの。だから余裕なくてダサいとこ、すげー見せたくない」
「え……?」
「その結果全っ然隠せてなくて自分でも引くけど」
戸惑うあたしの手のひらを優しく握った灰野くん。
「でもヘタレなくせに俺、藍田さんの理想とか夢とか……全部叶えたいって思ってる」
視線は全然こっち向いてないけど。真っ赤な横顔が言った。
「……つまりね。俺は、藍田さんが大好きってこと」