偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
二人でエレベーターに乗り込んだ。
私達の乗せた全面硝子張りの箱が上昇していく。
湾岸線を走る車もミニカーのように小さく見え、その向こうに見える眩い光に包まれた夜の街もぼんやりと蜃気楼のようになっていった。
「さっきはゴメンね・・・」
先輩が不意に話し掛けて来た。夜景に気を取られていた私の肩はビクッと震える。
「え、あ・・・いえ」
先輩は自身の馴れ馴れしい行動を後悔して、謝罪してくれた。
「私は気にしていません」
心の中では戸惑いを感じていたけど、顔に笑顔を貼り付けて、軽く流した。