キミ、が欲しい



元陸上部舐めないでよね。
あっという間に追いついちゃうんだから。



「ちょっと待って…!」



背後から声をかけたら「ひぇ…!」とかって変な態度取って更に加速しようとするから階段の踊り場で本気で腕を掴んだ。




「ご、ごめんなさい…!」



腰を曲げて荒い息を整える。
何で、怯えてる?
腕も震えてる…?
まともにこっち向いてくれないし。



「一緒に食べたかっただけなのに勝手に逃げるし」



「ごめんなさい…!俺と一緒に居ても楽しくなんかないし結城さんに迷惑かけるだけだから」



「は?迷惑なんて思ってないし」



「焼きそばパンありがとうございました!じゃあまた!」



そそくさと立ち去ろとするけど、私、そんなふざけたマネ許さないから。



バン!と壁ドンで道を塞ぐ。



「ひぇ…!」



「話終わってないから行かせないけど?」



「え……?話……?」



顎クイして視線を合わせる。
ていうかなんつー顔。
女慣れしてないっていうの?
無理やり合わせた目も5秒ともたない。
あ、そらしちゃった。



「単刀直入に聞くわ、彼女いる?」



「え…?い、いるわけないだろ」



こんな人気のいない場所に逃げ込んだキミが悪いんだよ。
ジリジリと詰め寄ったりなんかしたら失神しちゃうかな?
彼、きっと経験なさそう。



「じゃあ立候補していい?」



「はっ?」



「彼女」



あれ?固まっちゃった。
おーい、聞こえてる?
真っすぐ見つめたらやっぱり湯でタコ状態で、何言ってるかわかんない言葉で動揺してかなり挙動不審。






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