日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「おう!」



「お前なら、いいか?」



「なにがだ?」



「聞いてくれるか?」



「あぁ、俺でいいなら」



「これは、妃瀬 東華様の昔話だ。




俺はアルビノで、鳴瀬家にとって、
別段重要でも無ければ
何かができるわけでもない、


とりわけ平々凡々な子供だった。




そんな俺に、ある日転機が訪れた。



妃瀬決定戦だ。」



「んー、悪いが、その妃瀬決定戦ってのが
俺はよく分かってないんだ」



「あぁ、よそから来た人はそうだろう。


妃瀬決定戦とは、その名の通り
妃瀬の性を襲名出来るものを決めることだ」



「はぁ!?
あいつら血が繋がってないのか!?」



「いや、繋がってる。


妃瀬はどんなに薄かろうと、一滴でも
血が繋がっていれば妃瀬決定戦に参加出来る。


その時の参加資格は年齢。
5歳から10歳間での子供が集められた。


もちろん参加は自由。


しかし、親達がその年齢の子供がいるのに
黙って参加させない訳が無い。



その日から俺は、



昨日までは見向きもしなかった親の
猛特訓始まった。



そして特訓から一年後。
運命の時がやってきた。


妃瀬決定戦の開幕だ。」
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