日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
妃瀬をそう易々と殺せるとは思ってない。



だが、俺たちに殺れないわけがない。



パチッ



耳を済まさなければ聞こえないような
微かな音をたてる。



そして2人が一斉に襲い掛かる。
その2人の影にターゲットは驚き
口端を上げた、ように見える。



実際はターゲットを殺すことに夢中になり
微かにしか見えなかった。



ターゲットは当たり前のように2人の
短剣を受け反撃する。



その反撃の一瞬をついて
俺は長い剣を胸に突き立てる。



「なっ!」



小さい驚愕に染まった声は闇に消える。



バッと飛び退き急いで逃げる。



バレたら世界最強軍団が敵となる。



それは避けたかった。



急いで走る。



その体の胸にはどくどくと大きく音を立てる
心臓がある。



殺されなかった。



むしろ殺した!!!



この音は死からの解放の喜びか



逃げなければ捕まって
想像も絶するような拷問が
待ってることに対する
恐怖からか、



分からないが、
帰り着くまでこの心臓の音が止むことは無かった
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