間宮さんのニセ花嫁【完】
「もし私が駄目だったら、間宮さんだけじゃなくて紗枝さんたちまで悲しませてしまうのかなと」
「……」
「何度か前向きに考えようと思ったんですが、意外とプレッシャーに弱いタイプだったみたいです」
たはは、と誤魔化すように笑いを浮かべたが間宮さんの表情は硬いままだった。
あぁ、この人の前では誤魔化しは通用しないのだとその目を見て分かった。
心の弱い部分を見透かされる。
「大丈夫だ、昨日だって突然のハプニングでも立派だったよ。俺が思うに飛鳥は自分が思ってるよりも強い」
誰よりもこの人にそう言われることが一番の自信に繋がるのはどうしてだろう。
「上司として見てきたから分かるよ」
「……ありがとうございます」
「まだ不安なことあったら全部言って。出来る限り取り除くから」
これは間宮さんから頼んできたことだから私のことを気に掛けてくれるのは当たり前なのだけど、だけどその言葉が今の私にとって一番嬉しい。
「えっと……お茶点ててたんですけど自分で飲みすぎて正直味が分からなくなってきて。間宮さん飲んでくれますか?」
「それぐらい勿論」
「っ……」
じゃあ作りますね!と私は抹茶を入れたお茶碗にポットのお湯を注ぎ込みながら胸のドキドキを抑える。
何度も何度も思うけど、やっぱり間宮さんといるとときめき過ぎて心臓が何個あっても足りない。というか、間宮さんの前でお茶点てるの初めてだから緊張する!