間宮さんのニセ花嫁【完】



間宮さんに連れられて外に出たら私は彼の背中を追いかけながら、


「あ、あの、本当に大丈夫なんですか? 明日お茶会なのに……練習した方が」

「だけど飛鳥の点てたお茶申し分ないくらい美味しかったし、大丈夫だよ」


間宮さんが大丈夫大丈夫とさっきから簡単に言うから、本当にそうなのかもしれないと勘違いしてくる。
だけど実質まだ自分自身不安も残るし、外で遊んでいるよりも早く家に帰って練習をした方が……


「あら、千景くん? 久しぶりね! 大きくなって!」

「お久しぶりです。前から俺はおっきかったですよ」

「やだー、小さい頃から知ってるから重ねちゃってるのね。家に帰ってきたの?」

「いや、それはまだなんですが少し用事が……」


先程から間宮さんはよくこの町の人に話しかけられている。間宮家は有名な名家の一つだと聴いていたし、ここに住む人なら知らない人はいないのだろう。
彼の後ろを歩きながらその人脈の広さに感心していると急に振り返った彼が「ここだよ」ととあるお店を指差す。

一階建ての瓦屋根の建物の玄関先に視線をやると「甘味処」と書かれたのぼり旗が目に止まる。


「飛鳥、あんみつ好き?」

「あんみつ!?」


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