間宮さんのニセ花嫁【完】
話が急展開すぎて全く飲み込めないまま、私は間宮さんに手を取られてお店の中に入ってしまった。
店内は和菓子屋も経営しているのか、ショーケースには大福や饅頭など美味しそうな和菓子の数々が並べられている。その繊細な作りに感動していると店員さんと話していた間宮さんが「席取れたから行こうか」と呼び掛けた。
彼についていくとお店の一番奥の席に案内された。私にメニューを手渡してくれた女性の店員さんは一瞬間宮さんとアイコンタクトを交わし、お店の奥へと戻っていく。
「もしかしてここのお店の方もお知り合いなのですか?」
「知り合いというか、近所だから昔からよくお世話になってるんだよ」
「へ、へぇー」
本当に顔が広いんだなと感心しながらメニューに目を移すとそこに載っていたあんみつの写真に目が奪われる。
和の趣を感じることのできる器の上に白玉やあんこ、チェリーなどの色鮮やかなフルーツが盛られ、目にも楽しい華やかな作りに見ているだけで涎が出てきそうになる。
「ここのあんみつ美味しいんだ。いつか飛鳥にも食べてもらいたくて」
「い、いいんでしょうか。私何もしてないのに」
「俺の為に頑張ってくれてるだろ。ご褒美だよ」
ご褒美なんて、こんな余りあるものをもらっていいんだろうか。
しかし目の前の食欲に勝つことが出来ない私はメニューに載っていたあんみつを頼み、間宮さんはわらび餅を注文した。