間宮さんのニセ花嫁【完】



翌日、遂に今日はお茶会が開かれる。私は初めて梅子さんたち以外の人前でお茶を点てる様子を披露し、梅子さんに間宮家に相応しい人間かどうかを見定められる。


「飛鳥さん素敵! 写真撮らせて!?」

「さ、桜さん……」


お茶会を目前に控えた私は花嫁お披露目ということもあって淡い水色に染められた生地に桃色のお花が舞う柄の着物に身を包んでいた。
紗枝さんが選んでくれたものらしく、思っていたよりも明るい色に私は疑問を浮かべる。


「こんなに華やかなものでいいんでしょうか? お茶会に合わないような」

「ウチが主催者側だから大丈夫よ。それに淡い色だから目立つこともないし」


そう言いつつも手にしているデジタルカメラで私の晴れ姿を取り続ける桜さん。いつのまにカメラなんか手に入れたんだろうか。
そろそろ行かなければと周りを見渡していると間宮さんが「準備終わったか?」と部屋を覗きにきてくれた。


「いいな、よく似合ってる。前の着物といい紗枝は飛鳥に似合うものを分かってるな」

「本当、一式揃えてくださったみたいで」

「髪の毛纏めたんだな。良かった」


そう言って彼は自分のポケットからあるものを取り出すと後ろを向くようにと私に促した。
彼の背中を向けていると髪の毛を纏めている後頭部あたりで何か違和感を覚える。

暫くすると「はい」と手鏡を手渡され、覗き込むと頭に赤い簪が飾られていることに気が付いた。


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