間宮さんのニセ花嫁【完】
ふと疑問に思ったことを口にしてしまってきたが、どうやら彼にとっては当たり前のことを聞いてしまったようだ。
「うーん、昔からそう言われていたからな。長男だし、それに俺が家を継ぐことで色々と折り合いがつくんだ」
「折り合い?」
彼の言葉に引っ掛かりを覚える。特に家を継ぎたいという意思は彼の中にはないのかもしれない。
間宮さんは「食事を遮ってごめんな。食べていいよ」と私に箸を進めることを促した。
取り敢えず状況は理解できた。私をここに連れてきたのも、早く家族に合わせて結婚する旨を報告したかったから。
本当に時間がなかったから会社の部下で協力してくれそうな私に声をかけたということか。
「まず初めに俺の祖母に挨拶してもらいたいんだ。今のうちの当主でもあるから」
「お婆様が当主なんですね」
「俺の父親は家継いでないんだ。大学教授してて地方を飛び回って学会とかやってる」
だから尚更俺が継がないと駄目なんだ、と説明してくれた間宮さん。間宮さんちの家庭事情はまだよく分からないけど、とにかく花嫁役の私が上手くやらなければ彼が家を継げないということが分かった。