新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

 どうして珠紀がそんなことを言ったのか。
 もし、本当に珠紀に言われたとしても、それを忠実に守る義務は彼には無いはず。

 彼は珠紀が出すなと言った、それだけを述べるだけで、言い訳も、言われて出さなかった経緯もなにも話してくれない。

「言い訳は、してくれないのですね」

「言い訳が必要ですか」

 急に『氷の微笑王子』と呼ばれている異名を思い出した。
 冷たい受け答えに躊躇する。

「せめて、珠紀の意見に賛同した理由を知りたいです」

 しばらくの沈黙の後、省吾さんは言葉を選ぶように声を発した。



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