新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
「信じてもらえるとは、思ってもみませんでした」
「なにを、です?」
「「珠紀を悪者にしないで!」と、罵られる覚悟でしたから、戦々恐々としていました」
冷たいと思っていた、彼の言動の裏側を聞き、頬が緩む。
やっぱり彼は『氷の微笑王子』ではない。
普通に血の通った、私とそれほど変わらない青年だ。
「すぐにバレるような嘘をつくとは思えないので」
「ええ。嘘は苦手です」
嘘が苦手。
本当にそうなのかもしれない。
ただ、彼は言葉が足りないだけで、陥れようとして故意に黙っているわけではないのかもしれない。
聞けば答えてくれるのなら、聞かずに心を病んでいる私はなんて馬鹿なんだろう。
「珠紀に言われたからといって、珠紀に義理立てせずに提出しても構わなかったですよね?」
「それは、そうかもしれません。けれど、白石さんは結愛さんを思っての発言でしたし、彼女の方が正論でしたので」
珠紀の正論……。
なんだろう。
珠紀には「憧れの人の息子だからって、本当に彼との結婚を決めていいの?」と何度も聞かれた。
どうせこのままでは一生結婚できるとは思っていなかった私は「これもなにかの縁だと思うから」と軽い気持ちを珠紀に伝えていた。
実際、深く考えていなかった。
一緒に過ごすうちに、こんなにも彼に惹かれるとも思ってもみなかった。