新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~
私はベッドで横になる彼女の隣に座り、話し始めた。
「君は私の父を慕っていたように、自身のお父さんにも恋い焦がれていましたよね」
「ええ」
「そのお父さんと、もうじき一緒に暮らせるのでしょう?」
「どうして、それを……」
言葉を詰まらせ、私を見上げる彼女の瞳が揺れている。
「君のお母さんと私は、それなりに親しくさせてもらっているのだよ」
「母から……そうですか」
「あまり驚かないんだね。亡くなって、いるのでしょう?」
「ええ。亡くなったと"聞かされていました"」
「そう。知っていたんだね」
彼女の母親から聞いた。
彼女には父親は亡くなった、と伝えてあると。
私も彼女の父親は亡くなったと思っていたから、驚いた。
彼女も聞けば驚いて、もっと取り乱すと思っていた。