新婚蜜愛~一途な外科医とお見合い結婚いたします~

「わあ。いい匂い」

 彼女は頭にタオルを被ったまま、私の方へ歩み寄ってくる。
 ほんのり高揚した肌が、今は目に毒だ。

「私も、シャワー浴びてきます。鍋は野菜が柔らかくなるまで、このままで。待っている間に髪を乾かしてください。また熱が出たら堪らない。ドライヤーを持ってきます」

「はい」

 軽くシャワーを浴び、戻ってくると、ちょうど彼女は髪を乾かし終えたところだった。

「今、準備しますね」

 仕上げを済ませ、器によそう。
 テーブルについた結愛さんの前に、持っていくと子どものように興味津々な顔をして器を覗き込んだ。

「野菜スープです。最後にご飯も入れて、スープ多めの洋風雑炊のようにしました。これだけはたまに作っていたので、味も大丈夫だと思います」

「おいしそうです。食べてもいいですか」

「どうぞ」

 彼女が口をつけるのを緊張しながら見ていると、ひとくちスープを飲んだ彼女が「おいしい」と頬を緩ませた。


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